2022年12月27日コラム
令和4年も瞬く間に年の瀬を迎えております。
弊所にとって本年を漢字一字で総括するとすれば、「話」という字です。
弁護士の仕事に必要とされる能力は、技術的観点から見れば、次の六つに分けられると思います。すなわち、①読む、②聞く、③理解する、④考える、⑤書く、⑥話すの六つです。①②→③④→⑤⑥のように、外部から情報を受け入れて、自分の中で整理・消化し、それを外部に表現するという関係性になります。
いうまでもないことですが、「話」には、⑥話すの意を込めています。弁護士の仕事をしている以上、相談者・依頼者と話す、相手方・関係者と話す、裁判官と話すなどは日課です。それでも、あえて「話」という字を挙げたのは、本年は弁護士になって初めて民法を講義させていただく機会があったからです。話すことは日課でも、講師として民法の抽象的概念から教えるというのは頭を抱える仕事でした。実務で特に意識せず使っている法律用語でも、改めて民法の基本書に立ち戻ってみると(①読む)、自分自身が的確に身に付けているのか(③理解する)、どのように伝えれば分かりやすいのか(⑥話す)を考えさせられました。実際の講義が分かりやすかったかはさておき、いつもの「話」とは違った「話」により、「話」の幅・奥行きを広げる経験となりました。
本年12月より弁護士生活も10年目に突入しており、来年は一つの節目と捉えています。
これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。